現在バスワードとなって広がっている「メタバース」は、市場に国内外問わず多くの企業が参入しています。多くの企業が参入しているため、それぞれの企業は一体どんな事業をしているのかと疑問に思う人もいるでしょう。そこで本記事では国内・海外のメタバースに参入している企業の事業内容を10社以上紹介します。メタバース市場で一定の成功を収めている企業もあるので、ビジネスモデルの参考にしたい方におすすめです。日本のメタバース企業一覧【事例紹介】日本のメタバースに参入している代表的な企業を以下10社ご紹介します。VARKNTTドコモclusterDouble jump.tokyoThirdverse大和ハウス工業スクウェア・エニックス・ホールディングスMetaTokyoHIKKYANA NEOVARK会社名株式会社VARK代表者加藤 卓也設立日2017年8月9日資本金100,000,000円公式サイトVARK公式サイトVARK社はエンターテインメント特化型メタバース「VARK」を運営しています。VARKではバーチャル音楽フェスなどが行われており、ライブイベントでは、ハイクオリティかつ多種多様なステージで歌って踊るアーティスト達の世界を、目の前で体感できます。また、Meta Queto・IOS・Andoroidなど幅広いプラットフォームに対応しています。NTTドコモ会社名株式会社NTTドコモ代表者井伊 基之設立日1992年7月1日資本金949,679百万円(2022年3月31日現在)公式サイトNTTドコモ公式サイトNTTドコモはXR World®というメタバースプラットフォームを運営しています。XR World®は専用のデバイスやアプリを必要とせずに遊べます。一部のコンテンツは有料となりますが、基本は無料で遊べます。XR World®中で提供されているワールドも何種類かあり、その中のひとつとしてゴジラが出てくる「ゴジラ・コロッセオ」のようなワールドも存在します。「ゴジラ・コロッセオ」では、まるでゴジラの映画の世界に入ったようなゴジラの迫力を体験することができます。cluster会社名クラスター株式会社代表者加藤 直人設立日2015年7月資本金27億円(資本調達額累計67.3億円)公式サイトcluster公式サイトクラスター株式会社は、メタバースプラットフォームclusterをリリースしています。clusterではバーチャル空間に集まって友人などと遊べます。さらにclusterはポケモンとコラボしたり、ハロウィンのときにバーチャル渋谷でハロウィンフェスを開催したりなどイベントが頻繁に開催されており、企業とのコラボでは累計総動員数は800万人を超える日本最大級のメタバースプラットフォームとなっています。Double jump.tokyo会社名double jump.tokyo Inc.代表者上野広伸設立日2018年4月3日資本金109,420,000円公式サイトDouble jump.tokyo公式サイトDouble jump.tokyoはマイクリプトヒーローズというメタバースとブロックチェーンゲームを融合したプラットフォームを中心に運営しています。マイクリプトヒーローズは2018年11月30日に正式にサービスを開始し、その後イーサリアムベースのブロックチェーンゲームとして取引高・取引量・デイリーアクティブユーザー数で世界1位を記録しました。またDouble jump.tokyo社はマイクリプトヒーローズの他にもブレイブフロンティアヒーローズやマイクリプトサーガなど、多くのサービスをリリースしています。Thirdverse会社名株式会社Thirdverse代表者國光 宏尚設立日2013年4月資本金10,000,000円公式サイトThirdverse公式サイトThirdverse社はVR×メタバースの世界を目指し、VRマルチプレイ剣戟アクションゲームのソード・オブ・ガルガンチュアやALTAIR BREAKERなどのメタバースゲームをリリースしています。2023年1月12日には「キャプテン翼RIVALS」という、累計発行部数9,000万以上の世界的なサッカー漫画「キャプテン翼」のブロックチェーンゲームをローンチしました。大和ハウス工業会社名大和ハウス工業株式会社代表者芳井 敬一設立日1955年4月5日(設立1947年3月4日)資本金1,618億4,518万4,151円公式サイト大和ハウス工業公式サイト建設会社としてのイメージが強い大和ハウス工業ですが、実はメタバース市場にも参入しています。大和ハウスは自社のモデルハウスをメタバース上に公開するメタバース住宅展示場のサービスをリリースしています。顧客はスマートフォン、タブレット端末、パソコンから住宅の見学ができ、顧客自身と営業担当者がアバターの状態となってメタバース展示場内を見学します。このサービスによって、顧客は家の内装や雰囲気などをモデルルームに足を運ぶことなく体験できます。スクウェア・エニックス・ホールディングス会社名株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス代表者松田 洋祐設立日1975(昭和50)年9月22日資本金240億39百万円(2022年3月31日現在)公式サイトスクウェア・エニックス・ホールディングス公式サイトゲーム会社の代表格として有名なスクウェア・エニックス・ホールディングスですが、実はメタバース事業に本格的に参入すると言われています。そのきっかけとして、ブロックチェーン・NFTゲームである「ザ・サンドボックス(SAND)」と提携し、ゲームIP(知的財産権)をメタバースに導入すると発表しました。スクエニは自社のサービスである「ダンジョン シージ」のゲーム体験をサンドボックスの土地を通じて展開していく予定です。参考: The Sandbox and Square Enix Team Up to Bring Dungeon Siege RPG Experiences to the MetaverseMetaTokyo会社名MetaTokyo株式会社代表者鈴木貴歩設立日2022年2月資本金300万円公式サイトMetaTokyo公式サイトMetaTokyoはNFTを活用した次世代メタバース上に「グローバル文化都市トーキョー」を創り出し、さまざまなクリエイター、パートナー企業と事業展開を行う世界初のプロジェクトです。それに加え、様々なコラボやイベントをプラットフォーム内外で開催しています。最近ではグローバル・メタバースプラットフォーム「Decentraland」に、楽曲に合わせて踊る巨大な「Metaani x Kyary Pamyu Pamyu」が出現するイベントを開催しました。HIKKY会社名株式会社HIKKY代表者舟越 靖設立日2018年5月1日資本金1億円※資本準備金除く公式サイトHIKKY公式サイトHIKKY社は世界のさまざまな都市をメタバース化しています。例えば、日本では渋谷や秋葉原などがメタバース化されています。またHIKKY社は5年以内に100都市をメタバース化するプロジェクト「パラリアルワールドプロジェクト」を発表しており、メタバース化した世界中の都市を観光や旅行できます。さらにバーチャルマーケットも開催しており、ディズニー、セブン&アイホールディングス、ソフトバンク、伊勢丹などメタバース関連の企業だけではない、幅広い企業が参加しています。ANA NEO会社名ANA NEO 株式会社代表者冨田 光欧設立日2020年8月7日資本金8,735万円(2022年3月31日現在)公式サイトANA NEO公式サイトANA NEO社は旅に特化したバーチャルトラベルプラットフォーム「ANA GranWhale」を開発中です。ANA GranWhaleでは、ANAが現実世界で行っているリアルな旅行サービスとバーチャルを行き来できるような新しいメタバースプラットフォームが提供されます。また2022年には北海道と提携したメタバース事業推進を発表しており、これによって北海道の観光振興に寄与したり、道内各地域の活性化につながったりすることが期待されます。参考: ANA NEO、北海道と連携したメタバース事業推進を発表 観光振興の推進や道内各地域の活性化に寄与海外のメタバース企業一覧【事例紹介】次に海外でメタバースに参入している代表的な企業を4社紹介します。MetaSandBoxDesentralandFortniteMeta(旧Facebook)会社名メタ・プラットフォームズ代表者マーク・ザッカーバーグ設立日2004年2月4日資本金不明公式サイトMeta公式サイトメタバースがバズワードとなるきっかけをつくったMeta社は、Meta QuestoなどのVRデバイスを販売しています。またメタバースのプラットフォームとしてもMeta Horizon Worldsをリリースしています。Meta Horizon Worldsでは自身のアバターを作成し、音楽ライブやスポーツ観戦などを楽しめます。しかし、同社の株価の下落や業績不振からMetaのメタバース事業は好調とは言えないでしょう。メタバースビジネスで失敗している企業が多い理由は以下の記事で解説しています。メタバースは失敗している?大企業の撤退から考える今後のビジネスチャンスThe SandBox会社名The SandBox代表者アーサー・マドリッド設立日不明資本金不明公式サイトThe SandBox公式サイトThe SandBoxはマインクラフトのようなピクセルベースの世界観のメタバースです。ユーザーは自身のアバターを作成し、LANDというThe SandBox内の土地を購入・レンタルします。LANDを購入・レンタルしたユーザーは、その土地で自分の好きなイベントを開いたり、その土地を売買したりなど、現実世界の土地のような使い方ができるのです。すでにGUCCIやadidas、avexなど海外・国内の有名企業がLANDを保有しています。またThe SandBoxは2023年3月にサウジアラビア政府とメタバースの提携を発表しました。The SandBoxはサウジアラビア政府の援助によって、より世界的に影響力のあるプラットフォームになる可能性があります。Desentraland会社名Decentraland Foundation(主にDAO運営)作成者Ariel Meilich, Esteban Ordano設立日2020年2月20日資本金不明公式サイトDesentraland公式サイトDesentralandは、Decentraland FoundationというDAO(分散型自立組織)によって運営されている世界でも珍しいメタバースプラットホームです。DAOで運営されているため、中央集権的な仕組みによる歪みがなくユーザーファーストのプラットフォームとなっています。DesentralandのサービスはThe SandBoxのメタバースの世界観と似ており、ユーザーはDesentraland内のLANDという土地を購入し、ユーザーはその中で自由にイベントを開催できます。また、DesentralandとThe SandBoxの違う点としてDesentralandはポリゴンチックな世界観なのに対して、The SandBoxの世界観はピクセルチックな点が挙げられます。Fortnite会社名Epic Games代表者ティム・スウィーニー設立日1991年1月15日資本金不明公式サイトFortnite公式サイトEpic Gamesによって運営されている「Fortnite」は世界で最も人気なメタバースゲームです。Fortniteはオンライン対戦ゲームでプレイヤーは仮想世界を探索し、自分自身のキャラクターを作成したり、アイテムを収集したりします。Fortniteのメタバースにはゲームだけではなく、さまざまなイベントが開催されます。これらのイベントには、有名アーティストのライブや映画鑑賞会などが含まれています。また最近Fortniteがオープンソース化したので、各クリエイターは自分の好きなメタバースのワールドをFortnite上にアップロードし、そこで発生した収益の一部を得られるのです。メタバース企業は失敗している?株式会社クニエのメタバースビジネス調査レポートによると、メタバース事業に関わったビジネスパーソンのおよそ9割の人がメタバース事業は失敗だったと回答しました。しかし安易にメタバース企業は失敗すると言い切ることはできないでしょう。メタバースは失敗している?大企業の撤退から考える今後のビジネスチャンスメタバースの総人口は国内外で急上昇しているメタバースの事業で失敗している企業が増える一方で、メタバースの総人口は国内外を問わず急上昇しています。スウェーデンのVRChatユーザーFoorack(風楽)氏が主導し、VRChatのAPI情報を記録しているコミュニティプロジェクト「VRChat API Metrics」のデータによると、コロナ禍とMeta Quest2の普及などによって過去5年でVRChatのユーザー数は5~7万人程度に拡大したというデータがあります。また、2023年1月1日のVRChatの瞬間最大同時アクセスは過去最大になる「92,319人」に達したとの報道があります。このようにメタバースの人口は急激に増加しており、今後もこの傾向は続くと考えられます。メタバースのビジネスチャンスの有無や、成功させるポイントは以下の記事で解説しています。メタバースにビジネスチャンスはあるのか?【ビジネスポイントを解説】失敗しているメタバース企業の特徴失敗しているメタバース企業の特徴としてまず挙げられるのは、メタバース事業を既存のビジネスの延長線上に位置付けてしまう点です。メタバースは三次元のバーチャル空間のため、扱う情報量や技術の面で既存のビジネスモデルに当てはめて考えられない場合があります。よってメタバース事業を始める際は既存のビジネスと切り離して考えることが必要になる場面が存在します。次に、ターゲットやニーズの明確化が不十分である点です。現在人気のあるメタバースプラットフォームはゲームと絡めたものが多いため、必然的に若年層の年齢の人が利用者の多くを占めています。そのような利用者層やメタバースに求められているサービスを考えずに企画を進めてしまうと、良いサービスを提供しようとしても利用者が少なくなってしまうのです。メタバースの企業-まとめ現在バズワードとなっているメタバース市場には、国内外問わず多くの企業が参入し、各社様々なサービスを提供しています。また全体で見れば企業のメタバース市場への参入は失敗事例が多いですが、それはブームに釣られて持続的なビジネスモデルを持たず参入した企業がほとんどだからと考えられます。逆にターゲットやニーズを明確化し、キャッシュポイントの設計をするなど持続的なビジネスモデルを設計し、メタバース市場に参入する企業は大きなチャンスと言えるでしょう。メタバースのやり方・始め方を簡単5ステップで解説!【気軽に体験したい方へ】