現在、世界中の多くの企業・個人共にメタバースの市場に参入していますが、多くの企業が失敗し、撤退を強いられています。ただ、一部の企業はメタバースビジネスで一定の成功を収めているのも事実です。そこで本記事では、メタバースにビジネスチャンスがあるのか解説し、実際に一定の成功を収めているビジネスモデルや成功させるポイントなどを解説します。メタバースにビジネスチャンスはある?メタバース市場にはビジネスチャンスがあると考えられます。主な要因は以下の4つです。市場規模が最大5兆ドルになる可能性があるメタバースゲームが若者から人気を集めているリモートが主流になりメタバースに追い風が吹いているVRやARなどメタバース関連の技術が発展している市場規模が最大5兆ドルになる可能性があるMckinsey&Companyは将来的にメタバース市場は650兆円規模になると予想しており、総務省の「令和4年通信情報白書」によると、メタバースの市場規模は2021年は4兆2,640億円でしたが、2030年には78兆8,705億円まで拡大すると予想しています。現在は一部の人のみがメタバースを利用している状況ですが、今後市場規模が大きくなり、利用者が増加すればメタバース関連のビジネスチャンスは広がるでしょう。メタバースゲームが若者から人気を集めている現在、メタバースの利用者は主に若者が中心です。トランスコモンス社の調査結果によると、50代以上はメタバースの利用経験者が数%なのに対し、10〜20代の男性では約半数が利用したことがあると回答しました。また、メタバースの利用用途としては半数以上がゲームでの利用と回答しました。中でも利用者数4億人を誇る、世界的大人気ゲームのフォートナイトや1日のアクティブユーザーが約6000万人のロブロックスといったメタバースゲームが人気を博しています。三次元空間でゲームの世界に没入しやすいメタバースゲームは今後もメタバース市場のビジネスチャンスの中心であると予想されます。リモートが主流になりメタバースに追い風が吹いている2020年からの新型コロナウイルスのパンデミックによって、仕事のリモート化が進められました。リモートが主流になることで会議をZoomで行うなど、オンライン化が推進されました。オンライン上のバーチャル世界であるメタバースの普及の追い風となっているわけです。リモートワークサービスの例として、Meta社はHorizon Workroomsというメタバース上の会議室のサービスをリリースし、oVice(オヴィス)は実際のオフィスにいるような空間をメタバース上に再現しました。今後もリモート化が続くことでメタバースが普及し、ビジネスチャンスに繋がると考えられます。VRやARなどメタバース関連の技術が発展しているVRやARなどのメタバース関連の技術が発展していることも、メタバースのビジネスチャンスが広がる一つの要因です。例えば、Meta社は「Meta Quest2」というVRゴーグルを販売しています。Meta Quest2はメタバースゲームを楽しめるのに加え、コントローラーをメタバースの世界でバーチャルな手のように利用できます。ARデバイスはAppleが2023年6月のイベントで、Apple初のARデバイス「Apple Vision Pro」を発表したことが話題となりました。Apple Vision Proはスタンドアロンで利用でき、コントローラーや追加デバイス不要で、目や手、声で操作できるARデバイスです。価格は3,499ドル(日本円で約50万円)からで、米国では来年初めに発売し、その後に各国で発売する予定です。これまでメタバースに参入するとの噂が絶えなかったGAFAの一角であるAppleが今回、メタバースに参入することを表明したので、メタバースの普及が進むと予想されます。メタバースのビジネスモデル事例実際のメタバースプラットホームのビジネスモデル事例をご紹介します。Clusterスクウェア・エニックス・ホールディングスVARKメタバースに参入している企業を紹介【国内・海外14選】Clustercluster公式サイトclusterとは株式会社clusterが運営する、自分でメタバースのワールドを作ったり、他者が作ったメタバースのワールドで遊んだりできるメタバースプラットフォームです。2017年にリリースされたclusterは、現在総ダウンロード数100万回以上、累計総動員数は2000万人以上など、国内のメタバースプラットフォームでは最大級のサービスです。これまではポケモンやソニーとコラボ、バーチャル渋谷などの大規模なイベントが開催されてきました。clusterは、Vアイテムというcluster上のイベントを盛り上げるアイテムを販売したり、アバターを販売したりして利益を上げています。スクウェア・エニックス・ホールディングススクウェア・エニックス・ホールディングス公式サイトゲーム会社の代表格として有名なスクウェア・エニックス・ホールディングスですが、実はメタバース事業に本格的に参入すると言われています。スクエニは、2022年2月にブロックチェーン・エンタテインメント事業部を新設し、世界観やストーリーを重視したクリエイティブプロジェクトと組み合わせて、NFTの新規ブランドや知的財産(IP)の開発を行っていくと宣言しています。そのきっかけとして、ブロックチェーン・NFTゲームである「ザ・サンドボックス(SAND)」と提携し、ゲームIP(知的財産権)をメタバースに導入すると発表しました。スクエニは自社のサービスである「ダンジョン シージ」のゲーム体験をサンドボックスの土地を通じて展開していく予定です。VARKVARK公式サイトVARKは株式会社VARK社が運営する エンターテインメント特化型メタバースプラットフォームです。VARKではバーチャル音楽フェスなどが行われており、ライブイベントでは、ハイクオリティかつ多種多様なステージで歌って踊るアーティスト達の世界を、目の前で体感できます。VARKは、バーチャルイベントに参加できる権利を、ユーザーがVARKコイン・チケットを通して購入する形で収益を挙げています。メタバースビジネスを個人で行うのは稼げる?個人がメタバースビジネスで稼ぐ方法を紹介します。メタバース銘柄への投資メタバースゲームをプレイするメタバース銘柄への投資メタバース銘柄の仮想通貨へ投資して稼ぐ方法は、メタバース事業を行わなくても稼げる可能性がある方法です。メタバース銘柄の仮想通貨で代表的なものは以下の通りです。$AXS(Axie Infinity)名称AXSプラットフォーム名Axie Infinity(アクシーインフィニティ)価格665円(2023年6月現在)時価総額ランキング70位公式サイトAxie Infinity公式サイトAXSは、2018年にベトナムのSkyMavis社がリリースした「Play to Earn(ゲームをして稼ぐ)」の先駆けである、世界中で大人気のブロックチェーンゲーム「Axie Infinity」上で使える仮想通貨です。Axie Infinityは、NFTマーケットプレイスでの二次流通によるロイヤリティ収益が最も大きい収益モデルであるマーケットプレイス型のビジネスモデルです。ユーザーはゲーム上のキャラクターを売買する際などに、AXSを介して取引を行います。$MANA(Decentraland)名称MANAプラットフォーム名Decentraland(ディセントラランド)価格47円(2023年6月現在)時価総額ランキング61位公式サイトDecentraland公式サイトMANAはメタバースプラットフォームのDecentralandにおいて、コンテンツの取引ができる仮想通貨です。DecentralandはETHによるMANA(ゲーム内通貨)購入による収益や、ゲーム上の土地資産の販売によって利益を挙げています。また、Decentralandは分散型自律組織(DAO)が運営しているので、ユーザーはMANAを保有することでDecentralandのガバナンス投票に参加できます。$XANA(XANA)名称XANAプラットフォーム名XANA(ザナ)価格0.0000002円(2023年6月現在)時価総額ランキング142位公式サイトXANA公式サイトXANAはNOBORDER.z社が開発し、XANALIA Limited社が運営するWeb3.0メタバースプロジェクトです。XANAには現実世界と仮想世界を融合した「クロスリアリティ」が導入されています。また、日本人がCEOを務めており、これまで鉄腕アトムやウルトラマンとのコラボが実施され、大きな話題を集めました。XANAはアバターやアイテムなどNFTの流通で収益を挙げる一方、国内のインフルエンサーとのコラボアイテムの販売でも収益を挙げています。$DOME(Everdome)名称DOMEプラットフォーム名Everdome(エバードーム)価格0.15円(2023年6月現在)時価総額ランキング579位公式サイトEverdome公式サイトEverdomeは、火星が舞台となるメタバースのプラットフォームです。プラットフォームの構築に3Dスキャン技術を使用しており、他のメタバースプラットフォームと比べてグラフィックのレベルが非常に高い特徴があります。Everdomeはゲーム上の火星の土地やNFTの販売によって収益を挙げています。メタバースゲームをプレイするThe SANDBOXやDecentralandなどのメタバースゲームをプレイして稼げる可能性があります。The SandBoxではLANDというThe SandBox内の土地を購入・レンタルします。LANDを購入・レンタルしたユーザーは、その土地で自分の好きなイベントを開いたり、その土地を売買したりなど、現実世界の土地のような使い方ができるのです。人気のある土地は購入した時より価格が上がる場合があります。また、保有しているLAND上にゲームを作り、入場料を設定することで収益化が目指せます。Desentralandは、Decentraland FoundationというDAO(分散型自立組織)によって運営されている世界でも珍しいメタバースプラットホームです。DAOで運営されているため、中央集権的な仕組みによる歪みがなくユーザーファーストのプラットフォームとなっています。DesentralandもThe SANDBOXと同様、ゲーム内のLANDという土地を購入・レンタルし、稼げます。また、3DCGソフトを使って自身でNFTアイテムを作成・販売して稼ぐ手段もあり、投資より低リスクで稼げる可能性があるでしょう。メタバースビジネスを成功させるポイント以下では実際にメタバースビジネスを成功させるポイントを紹介します。今の2次元のアプリに注力する生活者のニーズを分析する専門アドバイザーからアドバイスを受ける今の2次元のアプリに注力するメタバース空間は3次元ですが、直近で人々がメタバースを体験する最初の方法は、2次元のアプリを介したものになるでしょう。よってビジネススキルは、現在の二次元アプリにおけるスキルが必要になります。つまり、Facebook、Instagramのようなプラットフォームでビジネスを育むために今まさに活用しているスキルに注力するのが重要なのです。そのスキルが、未来のメタバースでビジネスを成長させるための基盤になるからです。生活者のニーズを分析するメタバースも今までのモバイルインターネットのように、ビジネスチャンスは生活者の行動から生まれます。今現在のモバイルサービスのプラットフォーム上で築くつながりはメタバースにも引き継がれます。よって、新しい取り組みや実験、オーディエンスの拡大から得られたプラットフォーム上での生活者のニーズデータを分析し、目の前の機会を捉えてビジネスの成長を継続するのが重要です。専門アドバイザーからアドバイスを受ける今現在必要とされているビジネススキルを磨くことも重要ですが、メタバースに必要な知識や考え方を取り入れるのも同様に重要です。自身がメタバースに関して無知である場合、メタバースの専門アドバイザーからアドバイスを受けるのも1つの選択肢です。プラットフォーム構築に関する助言や、プラットフォーム内でのNFT流通に関してメタバースの専門アドバイザーからアドバイスを受けられます。メタバースビジネスはチャンスにあふれている現在、メタバース市場は成長段階の途中です。まだまだ大衆がメタバースに慣れ親しむには時間がかかるでしょう。政府の支援や大企業の参入など、日々メタバースに関する状況は変化しています。メタバースが成長段階の市場だからこそ、企業・個人のどちらの参入でもビジネスチャンスに溢れています。メタバースのやり方・始め方を簡単5ステップで解説!【気軽に体験したい方へ】