新たなトラベルルールの施工が迫る中、ツイッター上ではさまざまな議論と憶測が飛び交っっています。最近ではGMOコインの対応が大きく話題になっています。%3Cblockquote%20class%3D%22twitter-tweet%22%3E%3Cp%20lang%3D%22ja%22%20dir%3D%22ltr%22%3E%3C%2Fp%3E%3Ca%20href%3D%22https%3A%2F%2Ftwitter.com%2FSOU_BTC%2Fstatus%2F1661601188926881792%22%3E%3C%2Fa%3E%3C%2Fblockquote%3E%20%3Cscript%20async%20src%3D%22https%3A%2F%2Fplatform.twitter.com%2Fwidgets.js%22%20charset%3D%22utf-8%22%3E%3C%2Fscript%3Eそこで最近良く見かけるようになったのは、海外の暗号資産取引所を利用するユーザーからの送金や円転(円へ転換)するときの出庫や入庫の不安。メタマスクなどのセルフカストディウォレットを経由することでトラベルルールは事実上回避できるのでしょうか。トラベルルールとはなにかトラベルルールでメタマスクに出庫できなくなるのかメタマスクを介した海外取引所への送金は可能かこの記事を読むことで上記の3つのポイントを知ることができます。トラベルルールとはトラベルルールとは、FATF(金融活動作業部会)が提言しているマネーロンダリングおよびテロ資金へのお金の流れを防ぐために作られた国際的なルールです。いままでは電子的なお金の移動を伴う電信送金(為替取引)に対して広く適応されていましたが、近年の暗号資産の普及を考慮し暗号資産の移転にも適応すべきとの意見から、暗号資産を扱う事業者向けにも同ルールが適応されるようになりました。「travel」と聞くと旅行をイメージしますが、英語の意味での価値の「移転」や「移動」から来ています。ブロックチェーンおよび暗号資産の普及や進歩が日々進む中、ルールメイクが十分に行われていなかった背景から近年このような流れが加速しています。その中でもFATFはマネーローンダリング防止対策(AML)およびテロ資金供与防止対策(CFT)の観点から国際基準を提言する立場として力を強めています。トラベルルールができた背景などの詳しい解説は下記リンクからご覧いただけます。この記事も読む: 取引所のトラベルルールとは?今後どうなるのか、わかりやすく解説メタマスクへの出庫ができなくなるのかみなさん気になっているメタマスクへ出庫できなくなるかどうかですが、今回の規制を主導するFATFの要望に基づき作成したJVCEAの対応をまずは見てみましょう。トラベルルールへのJVCEAの対応まずはじめにJVCEAとは、一般社団法人日本暗号資産取引業協会のことで主に国内の暗号資産取扱業者の自主規制団体に位置しています。国内取引所に新規上場するトークンの審査や今回のトラベルルールなど、国内での健全な暗号資産市場の発展及び普及のために活動しています。今回のトラベルルール施行に際し、JVCEAが発表した資料をもとにメタマスクを始めとするセルフカストディウォレット(JVCEAや金融庁では「アンホステッドウォレット」と呼んでいます)が規制対象なのかみてみましょう。アンホステッド・ウォレットや無登録業者など⇒ 法律上会員に求められる移転先の暗号資産交換業者への通知は必要ありません。ただし、今回の法律等の改正により会員において情報収集義務(アンホステッド・ウォレット等の属性について調査・分析しマネロン等のリスクを評価)などが課されることとなります。このように書かれていることから、一律して存在するメタマスクなどへの出庫規制は現状ありません。しかし「ただし〜」の部分にもあるようにリスク評価は各事業者に委ねられていることから、事業者各社の対応を取る予定なのかを知る必要があります。発表を受けた各社の対応JVCEAの発表を受けた各社の対応を見ていきましょう。主にセルフカストディウォレットについて言及している部分を抜粋してまとめています。Coincheckトラベルルール対応開始日以降は、 ・日本と通知対象国の暗号資産交換業者が提供するサービスのうち、「TRUST」を導入しているサービス ・通知対象国以外の暗号資産交換業者や、プライベートウォレット(例:Metamaskなど)に送金が可能です。bitFlyer【対応が可能な暗号資産のご送付】・暗号資産交換業者において管理されていないウォレット宛の暗号資産のご送付 MetaMask等のプライベートウォレットbitbankQ .レジャーナノといったプライベートウォレットへの入出金はできるの?入金はこれまで通り可能です。追加項目をご登録いただく必要はございますが、出金ができなくなることはございません。GMOコイン【送付時のお客さまへの影響】当社では国内を含む、金融庁が指定する国・地域の当局に登録されている暗号資産交換業者に暗号資産を送付する場合、Sygna Hub(トラベルルール対応ソリューション)を利用し、法律等で定められた通知事項を送付先の暗号資産交換業者へ通知いたします。トラベルルール対応開始日以降は、以下1〜3の宛先へ暗号資産を送付いただけます。3. MetamaskなどのプライベートウォレットDMMビットコイントラベルルールの公式解説部分で用いられていた画像です。トラベルルールの適応が主に暗号資産交換業者であることから、暗号資産交換業者以外、ここではセルフカストディウォレットやその他の暗号資産取扱事業者への入出金は可能とのことです。まとめと考察上記の5社の対応を見る限り、基本的にメタマスクへの出金は問題なく可能です。5社以外の対応もざっくり確認しましたがどこも同じような内容で記述されていました。ではどのようなケースに置いて犯罪資金を利用していないユーザーで出庫拒否が起こるのか、実際の海外の事例に基づき考察してみました。DeFiプロトコルを見ていると月に数回は数億円規模のハッキングが発生しています。そしてそれらの資金洗浄の場としてよく利用されるのが「Tornado cash(トルネードキャッシュ)」というプロトコルです。元々はマネーロンダリング目的で作られたものではなかったですが、その資産の秘匿性を向上できる側面からほとんどのハッカーは奪った資金をトルネードキャッシュに資金を移している現状があります。このことからトルネードキャッシュを正常な使い方として利用していたユーザーにも影響を与えています。大手のオーダーブック方式DEXを提供するdYdXでは、トルネードキャッシュの制裁を受けて、過去に利用歴があるユーザーをブロックしました。上記のようなリスク評価を国内取引所でも取ると仮定するのであれば、トルネードキャッシュ及び類似プロトコルのオンチェーン履歴があるアドレスからの入庫を拒否する可能性は十分あると考察できるでしょう。メタマスクを介した海外取引所への送金これまでメタマスクに出金可能かどうか見てきました。ここで勘のいい方はわかったかもしれませんが、ご自身のセルフカストディウォレットを経由することで、通知対象国の同一システムを利用していない事業者や無登録業者への送付が実質可能ということです。適切にに利用している場合でも国内事業者では取り扱っていない銘柄を購入したかったり、国外の取引所で実施されているトークンセールに参加したかったりなどの理由で国外拠点の取引所を開設し利用している人も多いと思います。正規のルートではありませんので、当メディアで利用を全面的におすすめはできないですが、このようなルートで利用することで完全に塞がれたわけではないことを知っておくべきです。そもそものトラベルルールができた理由から考えても、無登録業者やDEXの利用を制限するものではなく、暗号資産を法定通貨へ変換する際の門番的役割を果たす取引所に入ってくる資産の適切なラベリングとリスク管理の徹底です。まとめこの記事ではトラベルルールに関して以下の内容を解説しました。最後に一緒におさらいをしましょう。トラベルルールとは取引所から暗号資産を移動するときの国際的なルールで、暗号資産のやり取り自体が禁止されるものではないメタマスクなどのセルフカストディウォレットへの出庫は制限されていないメタマスクを経由することで直接入出庫に対応していない事業者間でも送付が可能