本記事ではメタバースファッションについて解説します。メタバースファッションとは、ゲームやSNSなどのバーチャル空間で身に付けられる衣服や靴などのファッションアイテムです。メタバース上では衣服や靴などがNFTなどの形で販売されています。メタバースファッションに参入している企業例や、メタバースファッションの将来性についても解説しているので、メタバースファッションを取り入れたビジネスを考えている方も必読です。メタバースファッションとはメタバースファッションとは、メタバース上でアバターが着用するファッションアイテムです。現在、多くのメタバースプラットフォームで服や靴アイテムなどがNFTの形で販売されています。メタバースファッションの用途メタバースファッションの用途は、主にゲーム内でのスキンや鑑賞目的の作品などです。自身のアバターを通して、メタバース上でのファッションを楽しめます。メタバース上でのアバターは自分の好きな外見に設定できるので、普段はしないファッションであっても、メタバース上でのアバターに着せ替えできるのです。また、メタバースファッション用途には観賞目的も存在します。おしゃれなスニーカーやブランドの服などがメタバース上では売られているため、現実世界では手の届かなかった物も、メタバース上では比較的簡単に手に入れられる可能性があります。メタバースファッションが注目されている理由メタバースファッションが注目されている理由は以下の2つです。ゲーム産業と相性が良いから現実世界とは違う自分を作れるゲーム産業と相性が良いからメタバースファッションはゲーム産業との相性が良い点から注目されています。画像出典: 任天堂例として、任天堂が販売している「あつまれどうぶつの森」では、服や靴はもちろんのこと、家具や美術品、生き物までがゲーム内の独自通貨「ベル」と交換でき、メタバース世界で現実世界のような体験ができます。画像出典: Fortniteまた、世界で最も人気なメタバースゲーム「Fortnite」でも有名ブランドの服を着たり、自身のスキンを変更したりすることを通して、メタバースファッションを楽しめるのです。現実世界とは違う自分を作れる現実世界で自分の思うような外見になれなくても、メタバース上では「なりたい自分」になれます。また、人種や性別に左右されない自分を作れることは、メタバース世界でのアイデンティティの証明に繋がるのです。画像出典: Fortnite大人気ゲームFortniteではスキンの見た目を動物やバナナのように、人間以外の見た目にも設定できます。サステナブルなファッション事業になるメタバースファッションはサステナブルなファッション事業である点からも注目されています。メタバース世界はデジタル上の世界です。よって、メタバースファッションも従来のファッション業界と異なり、製造に素材が必要なく、廃棄物も存在しません。環境庁によると、毎年日本の家庭から焼却・埋め立てされる服は48万トンにも及びます。メタバースファッションは将来的に服の製造量・廃棄量を抑えるサステナブルな事業の代表となる可能性が大いにあります。メタバースファッションに参入している企業以下はメタバースファッションに参入している代表的な企業です。RTFKTEpic GamesBalenciagaNIKEadidasWarbyparkerRED DAORTFKT画像出典: Forbes JAPANRTFKT(アーティファクト)は、メタバースファッションの販売を中心としたデジタルファッションブランドです。クオリティの高いデジタルスニーカーなどのNFTを制作しており、既に「RTFKT」というブランドで世界中に熱狂的なファンを獲得しています。RTFKTはデジタルスニーカーからスタートしましたが、今ではファッションアイテム全般を手掛けています。また村上隆やレクサスなど、数々の著名人やブランドともコラボしているのでも有名です。2021年3月にRTFKTがバーチャルスニーカーのオークションを行った際には、なんと7分で600足が完売しました。売り上げは約3億3,200万円にものぼりました。Epic Games画像出典: FortniteEpic GamesはFortniteの運営会社です。Fortniteでは、V-Bucksというゲーム内独自通貨を使いさまざまなメタバースファッションアイテムを購入できます。V-Bucksではスキンや服などはもちろん、ゲーム内での感情を表すポーズやゲーム内のBGMまでも購入できるのです。Balenciaga画像出典: Fortnite世界的ファッションブランドであるBalenciagaは、2021年にFortniteとコラボしてファッションアイテムを販売しました。Fortniteとのコラボでは「BALENCIAGAフィット」のコスチュームやバッグ、ゲーム内で使えるツルハシやグライダーなど、さまざまなアイテムを販売しました。Balenciagaとのコラボアイテムは数百円からと比較的気軽に購入できます。NIKE画像出典: NIKE世界的スポーツブランドであるNIKEもメタバースファッション市場に参入しています。NIKEはNIKELANDにてメタバースファッションアイテムを販売しています。NIKELANDは2021年11月に月間ユーザー数2億人超を有するメタバースゲームプラットフォームである「Roblox」にて、開設しました。NIKELANDは世界中から670万人が訪れ、訪問回数は延べ2160万回にも達しました。NIKELANDではNIKEのアイテムを着用しながら、ブロックスのツールキットを使って、何百もあるインタラクティブなスポーツ用素材から簡単に自分のミニゲームを想像し、作り、楽しめます。adidas画像出典: adidasadidasもメタバースファッション市場に参入しています。adidasは主にadidas Virtual GearとALTS by adidasでメタバースファッションを展開しています。adidas Virtual GearはウェアラブルのNFTコレクションであり、adidas Virtual Gearの所有者は、Discordのホルダー専用チャンネルにアクセスし、将来的にホルダー特典を受け取れます。ALTS by Adidasも同じくNFTであり、異なる特徴やあらゆるストーリー展開に対応する8種類の異なる特性を持ったNFTです。Warbyparker画像出典: WarbyparkerWarbyparkerは、いつでもどこでもARを活用して眼鏡を試着できるサービスを提供しています。このサービスでは、iPhoneのカメラを用いて、自分の顔にメガネをかける試着をリアルにシミュレーションできます。また、自宅で気軽にさまざまなメガネを試着できるので、通販での購入では失敗しにくいでしょう。RED DAORED DAOは、デジタルファッション領域に投資するDAO(分散型組織) です。DAOとは、特定の所有者や管理者が存在せずとも、事業を推進できる組織を意味します。RED DAOは投資と組み合わせを通じてデジタルファッションの発展を目指しています。メタバースファッション市場の将来性メタバースファッション市場には将来性があります。理由は以下の3つです。メタバース市場の成長に伴い需要が増加するファッション産業の環境問題が追い風となるアートのようにコレクションとしての人気が集まる可能性もあるメタバース市場の成長に伴い需要が増加するMckinsey&Companyは将来的にメタバース市場は650兆円規模になると予想しており、総務省の「令和4年通信情報白書」によると、メタバースの市場規模は2021年は4兆2,640億円でしたが、2030年には78兆8,705億円まで拡大すると予想しています。また、メタバース世界はデジタル上の世界なので、自分自身を表現する場として最適です。メタバースファッションは自己表現の方法の1つとして、メタバース世界でのアイデンティティの証明に繋がります。ファッション産業の環境問題が追い風となるファッション産業の環境問題は大きな課題です。世界全体では、毎秒トラック1台分の衣服が廃棄されているといわれています。また日本だけで見ても、1990年と比べて衣服の購入量は横ばいですが、供給量は1.7倍に増加しています。これは売れ残った衣服が増加していることを示します。それに比べメタバースファッションは廃棄や生産量などの問題がありません。持続可能な社会であるために、メタバースファッションは将来的に課題解決に寄与する可能性が十分あります。アートのようにコレクションとしての人気が集まる可能性もある現実世界でもファッションアイテムを着用せずに、観賞用として保管しているだけの人は多いですが、NFTアートでもそのような動きは見られつつあります。NFTアートの例として、Beepleが制作した「Everydays—The First 5000 Days」は約79億円で落札されました。メタバースファッションでも、高価なスニーカーや限定のTシャツなどはNFTアートのようにコレクションとして人気を博しています。メタバースファッションの作り方メタバースファッションの作り方として以下の2つが挙げられます。デジタルファッションを作成できるプラットフォームを利用するNFTにしたい場合はNFTマーケットプレイスに出品するデジタルファッションを作成できるプラットフォームを利用するデジタルファッションをビジネスとしてではなく、とりあえず作ってみたい人はデジタルファッション作成専用のプラットフォームを利用するのが良いでしょう。画像出典: The Fabricant例えば、オランダ、アムステルダムを拠点に活動するThe Fabricant(ザ・ファブリカント)は、誰でもどこでもバーチャルファッションデザインを行え、その服はメタバース空間で着用できます。NFTにしたい場合はNFTマーケットプレイスに出品する自身で製作したデジタルファッションアイテムをNFTにしたい場合はNFTマーケットプレイスに出品する必要があります。画像出典: OpenSeaNFTマーケットプレイスの代表例としては、世界最大のNFTマーケットプレイスであるOpenSeaがあります。仮想通貨ウォレットと仮想通貨(主にETH)があれば簡単に購入できるため、気軽にチャレンジしてみましょう。メタバースファッション-まとめ自由度が高く、サステナブルなメタバースファッションは既存のファッション業界に革新を起こす可能性があります。また、NFTとして流通させることでコピー品を抑止でき、アイテムの二次流通時にもブランドやデザイナーにロイヤリティが発生する仕組みにするのも可能です。メタバース上でファッションを通して、自己表現できることやアイデンティティを確率させることは大きな魅力と言えるでしょう。