暗号資産は多くの銘柄が存在しているので、国内の取引所よりも海外に拠点を置く暗号資産取引所を好んで利用しているユーザーは日本に多いです。特に日本では暗号資産上場までのフローが厳格化されている点により、アメリカやその他の地域を拠点とする暗号資産取引所と比較してもかなり上場銘柄が少ないです。今回はそんな海外拠点の暗号資産取引所の中でも大手のBinance(バイナンス)が今後日本で使えなくなるのか、締め出しは起こるのかを最新情報をもとに解説します。Binanceの日本進出はいつなのかBinanceは日本人が使えなくなるのかBinanceの日本人締め出しスケジュールこの記事を読むことで上記の3つのポイントを知ることができます。BinanceとはBinanceとはCZ氏が2017年に立ち上げた比較的新しい暗号資産取引所です。まだ設立してから6年目ですが、世界で最も影響力があり取引量の多い取引所へと急成長を遂げました。取扱銘柄の多さや取引量の多さによる板の厚さが特徴で、国内外の玄人トレーダーにも好まれて利用される取引所の一つです。またローンチパッドや独自のステーキング商品など、投資家に魅力的な選択肢を提示していた点も人気の秘訣でした。Binanceの日本進出Binanceは実はかねてより日本への進出を目標としていました。過去に国内の暗号資産交換事業者買収を計画しているニュースが何度か報道されたりしていた中、事が大きく動いたのは2022年11月末のこと。国内取引所の買収国内事業者として暗号資産交換業のライセンスを保持している「サクラエクスチェンジビットコイン」の発行済み株式を100%譲渡する形で、Binance (AP) Holdings Limitedの子会社になることが突然発表されました。サクラエクスチェンジビットコインは渋谷の道玄坂に大きなビットコインマークを掲げた「ビットコインの相談窓口」を運営していたことでも知られており、買収の発表は業界で大きく話題になりました(オンライン窓口の拡充により2022年6月30日に閉店済み)。買収の話から半年ほどは「Binance Japan(仮称)が参入したら本体からは締め出されるのかな?」ぐらいの議論しか行われていませんでしたが、つい先日Binance公式より日本人へのサービス提供を段階的に終了していく旨の発表が行われました。日本人締め出しスケジュールBinanceが日本でのサービスを正式に開始するにあたり、グローバル版からの締め出しが順を追って行われていきます。公式発表をもとに順番に確認していきましょう。デリバティブ取引口座開設の新規受付を終了2023年5月26日をもってデリバティブ取引口座の新規開設受付を終了します。すでに買収時点で日本居住者の新規口座開設はできなくなっていたので影響範囲は少ないです。オプションとレバレッジドトークンの新規建注文の停止2023年6月9日をもってオプション取引とレバレッジトークンの新規注文の受付を終了します。なおポジションのクローズ(手仕舞い注文)は同年6月23日まで可能です。オプションとレバレッジドトークンの終了2023年6月23日をもってオプション取引とレバレッジトークンの提供を終了します。当日までにクローズされていないポジションは自動で手仕舞いされます。先物取引の新規注文レバレッジ上限が10倍に変更2023年6月23日をもって先物取引における新規注文のレバレッジ上限が10倍に変更されます。またレバレッジ上限に関する詳細は別途説明を行うとのことです。国内向け新プラットフォーム移行のための本人確認手続き受付開始2023年8月1日より日本居住者向けの新プラットフォームへの移行に向けた本人確認手続きの受付を開始します。基本的にグローバル版のBinanceアカウントを保有する人を対象としています。なお現時点で30種類ほどの銘柄を取り扱う予定で移行のための猶予期間は現在同年11月30日までに設定されています。国内上場銘柄を保有している場合本人確認を完了している場合は、同年12月1日より国内上場銘柄の残高を引き継ぎ日本居住者向けの新プラットフォームで取引可能です。国内未上場銘柄を保有している場合原則2023年11月30日までに国内上場銘柄に変換するか、他の取引所に送金を行う必要があります。先述した期限まで国内未上場銘柄で保有している場合は、同日中にBinanceより指定された日時のレートを参照してBTCへと強制的に返還されます。Margin取引の新規建注文(新規借入)の停止2023年10月27日をもってMargin取引の新規注文が停止されます。同時にマージン取引に必要な資産の新規借入の提供も終了します。Earn商品の新規契約の停止2023年10月27日をもってEarn商品の新規受付を終了します。BinanceではBinance Earnをはじめとするさまざまな利回り付きの商品を提供していますがそれらの全てが対象です。先物取引の新規建注文の停止2023年11月6日先物取引の新規ポジションが保有できなくなります。同日まではレバレッジ10倍で先物取引を日本居住者でも利用できます。またポジションのクローズは同年11月19日まで可能です。先物取引の提供終了2023年11月20日をもって日本居住者向けの先物取引の提供を完全に終了します。同日までにクローズされていないポジションは手仕舞いされ、自動でBTCへと強制的に返還されます。Margin取引の提供終了2023年11月27日をもって日本居住者向けのMargin取引の提供を完全に終了します。同日までにクローズされていないポジションは手仕舞いされ、証拠金として利用されていた暗号資産が現物アカウントへと返還されます。Earn商品の提供終了2023年11月27日をもって日本居住者向けのEarn商品の提供を完全に終了します。同日までに解約されていない継続中の契約は強制的に解約され、返還された元本と報酬のうちそれらが国内未上場銘柄の場合は、BTCへと強制的に返還されます。現物取引を除く全てのサービス提供終了2023年11月29日をもって日本居住者向けに上記までに言及していない全ての現物取引以外のサービス提供を完全に終了します(P2P取引など)。サービス終了までの具体的な流れなどは追って連絡があるようです。グローバル取引プラットフォームでの現物取引提供終了2023年11月30日をもって日本居住者向けの現物取引の提供を完全に終了します。これにより同日付でグローバル版のプラットフォームで提供されていた全てのサービスを終了することになります。具体的にこの日に起こることは現物取引の新規注文の受付停止と、未執行注文(指値など)の強制キャンセルです。また先ほど少し触れましたが、この時点で日本未上場銘柄を口座に保有している場合は、同日中にBinanceより指定された日時のレートを参照してBTCへと強制的に返還されます。日本国内向けプラットフォームへの移行開始2023年12月1日をもって国内向けの新プラットフォームへの移行が開始します。本人確認が完了している口座で国内上場銘柄の残高は新プラットフォームの口座残高に移行しされ、新プラットフォーム上で利用することができます。この時点で本人確認が完了していない口座は暗号資産現物の引き出しのみ利用可能です。まとめこの記事でBinanceの日本居住者に対する締め出しは、新プラットフォームへの移行に伴い徐々に起こっていくことがわかりましたね。一方で11月末までは現物取引は問題なく利用できるので急いで資金を移動する必要はないですが、先物取引などを利用していたユーザーはなるべく早めに対応した方が良さそうです。それでは最後に一緒にこの記事のおさらいをしましょう。Binanceは世界最大の暗号資産取引所で日本進出を過去より検討していたBinanceは日本で暗号資産交換業のライセンスを保有するサクラエクスチェンジビットコインを買収し子会社化することで日本への進出を果たしたBinanceは日本居住者向けサービスの提供に伴い、グローバル版の提供を11月末にかけて徐々に終了していく予定